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住民投票結果の論調に思う大事なこと

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大阪都構想に向けた住民投票記事

 

5月17日に大阪市で行われた、特別区設置の賛否を問う住民投票。

66.83%の投票率、賛成:69万4844票、反対:70万5585票で否決されました。

得票率わずか0.8%差での否決。

投票数が変われば、可決されていた可能性も大いにあります。

個人的には、半数もの人数が反対するほど不透明な新案が可決されなくて本当に良かったと安堵しております。

 

さて、投票結果に関しての論調に気になるところがあります。

「未来のことを考えない高齢者層によって改革が阻まれた」

「低所得者層が現行サービスを捨てられなかった」

果たして、本当にそうなのでしょうか。

 

いわゆる「シルバーデモクラシー」と揶揄された根拠の信憑性は、らいふはっきんぐどっとねっとというサイトの【謎】大阪都構想の住民投票の世代別の賛成・反対投票率がどうも妙な件。という記事にわかりやすくまとめられています。

※この記事では期日前投票が考慮されていないようでしたので、投票率結果がおかしいという考察となっているようです。

「70代以上」以外の世代では賛成が上回ったのに、なぜ結果は反対となったのか。

この記事によると、出口調査の結果が正しいとして投票率が100%だった場合、全体の22%である70代以上の反対率61%を79%に上げても、結果は賛成になるというのです。

年代別の投票率が不明なので一概には言えませんが、高齢者の数の力というよりは賛成率がそれぞれ60%を超え、合計で人口全体の31%を占める単純に20代・30代の投票率が低かった可能性が考えられます。

さて、出口調査は当日投票者を対象とした、あくまでアンケート。

期日前投票分を加えて、反対が上回ったわけですが、これに関しても、「期日前投票は高齢者票が多く、年齢的に思考能力が低下しつつある高齢者はまわりに吹き込まれて投票している」との意見もありますが、ならば「賛成」意見を吹き込まれている可能性もあります。

何より、私自身が日本にいる間は日曜日が仕事なことが多く、よく期日前投票に行っていましたし、今回同じような友人も多くいました。

期日前投票の反対票=高齢者票という考えも安直すぎます。

そもそも反対率を見て「高齢者は未来のことを考えていない」という結論付けは、若者世代の投票率が実際に低かった場合、「若者は現在の忙しさに託つけて未来のことを考えていない」と責める以上に横暴です。

超個人的な話を出して申し訳ないのですが、昨年の夏に亡くなった自分の祖母を思い出しても、彼女は最期まで私や他の孫たちのことをいちばんに気にかけてくれていました。

高齢者の多くは、未来を生きる世代の親であり祖父母である方なのです。

そんな方々が、未来を考慮せず投票するでしょうか。

また、今の70代は元気で頭もしっかりした方が多くいらっしゃいます。

私の祖母は80代で亡くなりましたが、70代の頃はしっかりと自分の考えを持った人でした。

確かに、新しいことへの理解度は低いかもしれないですが、だからといって、若者世代にない経験による有識量は蔑ろにするべきではありません。

そして、未来を考えて「反対」を選んだ若者もいることも忘れてはいけません。

これだけ拮抗した賛否票。

高齢者を批判する前に、それだけ各世代に一定数の反対意見があったということを受け止めるべきです。

 

これは南北で分かれた賛否を貧困差としたことにも言えることで、大阪市選挙管理委員会発表の区別投票結果(Wikipedia)によると、反対票は41%〜56%(表示以下切り捨て)と、どの区においても得票数は拮抗しています。

また、賛成票率が最も高かった北区では、賛成票と反対票の差は19%ありますが、反対票率が最も高かった大正区での賛成票と反対票の差は13%で、大正区には賛成票も多くあったことにより、やはり各地域においても、反対意見が一定数あったということが事実です。

 

今回の協定書が否決された原因は何よりも、賛成で圧倒するには欠陥の多い案だったことと考えます。

素人の私でも浮かんだ矛盾点(大阪都構想に向けた住民投票記事)を解消してくれるような具体的な答弁を公表せず、「そんなことはありえない」「話にならない」「説明会に来い」で通すことに何の意義があったのでしょうか。

賛成派の方の意見も「協定書をちゃんと読んだらわかる」「勉強すればわかる」だけで、賛成派以外にわかってもらう努力が少なかったのではないでしょうか。

それは、立案側としての責任でもあります。

「抜本的な改革」。

響きが良く改革=良いものと捉えがちですが、根本を失くす以上、デメリットが極力少ないものでないと、その先にあるのは改善ではなく改悪による崩壊です。

取らぬ狸の皮算用にしか思えない経済効果や税の無駄の解消のために、現在の大阪が崩壊してしまう危険性も考えるべきです。

未来は現在の先にあり、現在が崩壊してしまっては未来もないのです。

 

さて、住民投票の結果が出たからといって終わりではありません。

むしろ関心が高まったからこそ、改善のスタートです。

安易なカテゴライズによる世代批判や地域批判なんて、無駄なものに思えます。

他に考えるべきことは山ほどあります。

また、「改革しか改善の道がない」、なんて思考停止もいいところです。

橋下氏以前の関市政・平松市政が大げさにせずに、コツコツ無駄を解消して来た実績を知ろうともせず、それを無きことにして声が大きいものを正義とすることに違和感をおぼえます。

負けたら引くのが潔い?

大阪を政治ゲームのフィールドと考えればそうかもしれませんが、大阪は人々が暮らす場所です。

本当に大阪のことを考えて発案していたならば、負けてもなお大阪の改善を考えるはずです。

個人的には、橋下氏の行政は改悪しかなく、行政責任者の仕事よりも個人的な政治活動に力を注いでいた印象なので退いてくれてホッとしていますが。

もちろんそれは、橋下氏の正義に基づくものだったでしょうが、公と民間、行政の正解と弁護士の正解の原理が異なるものだったことに尽きるでしょう。

住民投票があり、行政への注目が高まったからこそ、大阪府職員も大阪府議会議員も、大阪市職員も大阪市議会議員も、より一層、財政や行政サービスの改善に努めてもらわなければなりません。

自民党も、本来ならば必要のない対案の対案という意味の無い案である「総合区」なんて案は、維新の会に煽られたからと言って、付け焼き刃で用意した以上「大阪都構想」よりも欠陥である可能性が高いため、大阪のためにならないのであれば破棄していいのです。

 

何より、変わらなければならないのは、私たち住民です。

住民としても国民としても、責任を政治家や政権に押し付けがちですが、それを担う議員を選出しているのは他でもない住民なのです。

被選挙権があれば、立候補だってしていいのです。

立候補するにせよしないにせよ、選挙権があるならば自分の頭でしっかりと考えることが大事です。

住民投票以外でも、例えば地元の議員に働きかけるだとか、署名運動だとかで意見の反映は努力できます。

ちなみに大阪府民としては、大阪市の財政状況を心配する前に、まずは財政健全化団体転落間近の大阪府の財政状況を危惧するべきと考えます。

 

地域行政だけでなく、日本国民としても憲法改正などこれから様々な決断が待ち受けています。

何事も「○○さんがこう言ってたから」「●●●でこう報道されてたから」と情報を鵜呑みにするのではなく、その真偽は自分で精査し考察する。

私が書いている文章はもちろん、善意によるものであれ悪意によるものであれ、マスメディアやインターネットの情報すら疑ってかかる必要があります。

当たり前のことではありますが、忙しい現代人が蔑ろにしがちな行為です。

しかし、それがこれからもっと重要になるでしょう。

中高生時代に情報の授業で習った”メディアリテラシー”というやつですね。

選挙においては、そのうえで投票に行く。

日本の制度において、住民投票や国民投票だけが民主主義ではないのです。

真摯な判断なしに生まれる被害を被るのは、いつだって自分や自分のまわりの大切な人たちです。

 

余談ですが、選挙活動についても少し思うところがあります。

今回、私は大阪にいなかったので実状はわかりませんが、複数の知人によると賛成派も反対派も、特に反対派のほうが住民迷惑になるような選挙活動が多かったようです。

大音量スピーカー、通行の妨げ、電話作戦、大量のチラシ配布、「住民のため」を謳っているにもかかわらず公害さながらの活動は本末転倒と言えます。

選挙活動のあり方も、これから考えていかなければならないことのひとつではないでしょうか。

 

大阪都構想に向けた住民投票記事

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なぜ東京とくらべるの?

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東京都は地方自治体でありながら、日本政府が置かれる首都でもあります。

首都なので人も企業も集まり、税収(住民税、法人税、固定資産税等)が多いのは当然。

実際、東京都は独自の財源で財政をまかなえる都道府県で唯一の地方交付税交付金不交付団体です。

※東京都内の市は普通交付金の交付を受けています。

 

政令指定都市って?記事へ

 

東京都が特別区を実施したのは、戦時中の1943年(昭和18年)。

大阪市を含む五大都市が政令指定都市になったのは、1956年(昭和31年)。

日本の都市化が進むなか政令指定都市が制定される前に首都としていち早く特別区を実施し、東京府から東京都への転換を図った東京。

政令指定都市である地方大都市となり、都市として成熟した状態の大阪。

東京の都政移行と大阪府が都構想を目指すのでは都政の成り立ちの状況が違うため、あくまでひとつのモデルケースとして考えるべきであり、比較対象としてはあまりふさわしくないと感じます。

そもそも、大阪が東京と同等になりたいのであれば道州制における州都として機能することを目指すのが術であり、大阪都政は、道州制の法整備ありきで行うことだと思います。

 

また、制度上は東京都にある市でも政令指定都市を目指せるにも関わらず、東京都には政令指定都市がありません

東京都の人口が特別区に集中していること、特別区を実施する都政とのねじれが生じることから、都からの承認を得るのは難しいということが考えられます。

 

大阪府には現在、政令指定都市は大阪市と堺市の2都市があります。

2010年(平成22年)3月発表された大阪都構想初期の計画では、大阪市24区を8区へ移行、堺市7区を3区へ再編することを中心として、豊中市・吹田市・守口市・八尾市・松原市・大東市・門真市・摂津市・東大阪市の9市をそれぞれ区へ移行することで、合計20区からなる特別区を設置する予定でした。

市における地方税とは主に、市民税の個人住民税、法人住民税、固定資産税、たばこ税、都市計画税等からなりますが、東京23区においては法人住民税、固定資産税、都市計画税等は東京都が徴収するため、23区としての地方税総収入は都に徴収される額を除いた約9491億円となります。

それと同様に、大阪20区の地方税総収入約1兆866億円から法人税、固定資産税、都市計画税等を省くと、合計は約3961億円。

市政に直接遣えた約7000億は、一旦大阪府に徴収されます。

対して、東京都が徴収する、23区における法人住民税・固定資産税等総額は、前大田区議会議員奈須りえさんのBLOGOS記事によると、全体の55%しか23区に配分されず残り45%にあたる約1兆円が都に流れているということから、単純試算で約2兆2000億円もの税収が考えられます。

1兆円規模の税収差を持ってして、尚も大阪を東京と同等に考えようというのは無理がありすぎます。

 

さて、東京23区の人口は約894.5万人と東京都全体人口約1316万人の約68%を占め、都によって徴収された23区の地方税は財政調整制度における再分配によって23区に還元されています。

初期段階の大阪都構想における大阪20区の人口も約564.6万人と大阪府全体人口約886.5万人の約64%となるので、約7000億円が20区に対して東京23区と同規模の還元がされる可能性が高かったと考えられます。

しかし、2013年に行われた堺市長選挙で反維新派であり現職だった竹山氏が再選した事により、堺市は実質的に特別区となることより政令指定都市として残ることを選びました。

その結果、大阪市のみが5区の特別区に再編される設計図を盛り込んだ今回の協定書が作成されることになりました。

現行大阪市の地方税総収入は約6260億円ですが、同じく個人住民税とたばこ税のみの合計収入は約1817億円。

5区からなる特別区になった場合、特別区の人口は約226.5万人。

20区から約340万人という半数以上の人口が減るにも関わらず、大阪府に徴収される額は約4400億円となる、約2600億円しか減りません。

また、人口比も大阪府全体のわずか約30%となり、特別区以外への持ち出しとなる可能性は大いにあります。

持ち出しになっても大阪府全体の活性化の為になればいいのですが、約4400億円の税収、約470億円未満の普通交付金増額、約132億円の財産運用収入では賄えるわけのないほど負債だらけの大阪府

政令指定都市としての財源を失った状態で、東京23区の足元にも及ばない税収で、特別区5区のみで今の大阪府を支えきれるわけがないと思います。

争点「二重行政」「住民自治」記事でも述べたように、大阪市民が市税をつぎ込んで運用し長期的に収入として来た市営事業・市立事業の財産も大阪府の財産と統合されてしまい、大阪府の負債返済のための一時的な収入として売り払われてしまう可能性もあります。

また、特別区を実施する大阪府政と政令指定都市である堺市政のねじれも生じるのではないでしょうか。

 

状況や環境がこんなにも違うので、大阪市を特別区にした状態と東京23区を比較することで見えるのは、明らかな税収の差と人口比の差、財政再生団体になってしまうとされる大阪府と地方交付税交付金不交付団体である東京都との圧倒的な差でしかなく、それらの差を持ってして、大阪都構想によって大阪府が東京都のようになれるという答えは、ありえないと思います。

 

参考:大阪都構想wikipedia
地方税収入額…平成22年度総務省市町村別決算状況調より
人口…平成22年度都道府県・市区町村別統計表(国勢調査)より

※本記事内の数字に関しては、上記データより素人の私自身が算出したものであり、計算間違いなど信憑性に欠けるかと思います。悪しからず。

 

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争点「二重行政」「住民自治」

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今回の住民投票において争点とされているのは、「二重行政」及び「住民自治」だと思います。

大阪都構想サイトにある主張をもとに、この2点について考察したいと思います。

 

「二重行政」とは?

そもそも大阪市は、大阪府からなかば独立した自治体です。

大阪都構想サイトでは、教育・病院・都市開発等について大阪府と大阪市で同じ事業展開を行っていることを、いわゆる二重行政による税金の無駄と指摘しています。

しかし本来、大阪府の財政も大阪市の財政も健全なのであれば、府立学校と市立学校、府立病院と市立病院など住民サービスの選択肢が増え対応度が上がること、市営事業と府営事業で、会計を分けた事業分担ができることから、一概に無駄とは言えないのではないでしょうか。

また、府市それぞれで行ったベイエリア開発双方とも経営破綻したこと、類似施設及び大規模投資開発プロジェクト、いわゆるハコモノ行政で投入された税金額に対し、毎年約300億~400億円の通常収支不足が見込まれているそうですが、これは大阪市にも大阪府にも言えること。

これらは二重行政による無用な競い合いというよりは、バブル経済によるプロジェクトに起因するものという見方もあります。

 

大阪都構想によって住民自治はどう変わる?

大阪都構想サイトでは、「大阪市民268万人の人口に対して大都市大阪はたった1人の代表」「京都府人口263万人、計26市町村に対し26人の市長・町長・村長」「広島県人口285万人、計23市町に対し23人の市長・町長」とし、「選挙があるからこそ、住民の声が役所に反映される」と主張しています。

しかし、日本は議会制民主主義の国。

議会制民主主義において、首長は行政の責任者であって、住民の代表はあくまで議員

よって、比較対象としてそぐわないかと思います。

参考として京都市wikipediaより、政令指定都市である京都市は人口147万人に対し市議会議員67人、1人が21,940人を代表します。

広島市wikipedia広島市議会wikipediaより、同じく政令指定都市である広島市は人口117万人に対し市議会議員55人、1人が21,272人を代表します。

対して、大阪市/大阪市会ページによると大阪市も政令指定都市として現行24区の行政区ごとに人口に比例して割当てられた大阪市議会議員が選出されており、議員定数は条例で86人となっています。

1人が31,162人を代表する計算です。

都道府県議会や政令指定都市の市議会では議員数が多いほど民意の反映を担いますので、大阪市に関しては議員が少ないとも考えられます。

※維新の会は大阪府議会議員定数削減条例を成立させました。

ある程度自由な権限と財源を有する政令指定都市と、ほとんどの事項を府や県にの承認を必要とする政令指定都市以外の市や自治体では、住民自治としての民意の反映度が異なるのです。

よって、自由な権限と財源を失った状態である特別区の区会議員数が多くても、住民自治の反映度は低くなるのではと考えます。

また、個性ある区政運営を選ばれた区長に任せるとしながら、特別区別のマニフェストの存在にも疑問を感じます。

 

以上の点と大阪府の現状と大阪市の現状記事から、大阪都構想によってどういったことが大阪にもたらされるかを考えます。

公債残高の増え続ける大阪府と橋下市政以前より公債残高を確実に減らし続けている大阪市の財政を統合した結果、大阪市の財産である事業やハコモノを現行大阪市民の意見が反映されにくい状態、大阪府の独断で売却(民営化)され、大阪府の公債残高返済へ充てられるのではないでしょうか。

中でも、維新の会が掲げる黒字事業である大阪市営地下鉄の民営化に関しては、大阪市民が市税を費やして培った大阪市の重要な長期収入を手放すことになります。

経済発展のための鉄道網発達という点では、大阪府下全域への地下鉄の拡大にかかる事業投資よりも私鉄やJRの発達している大阪府としての利点を生かし、各鉄道会社と市営地下鉄の線路乗り入れ等で対応することで事業コスト削減を目指せるのではないかと個人的には考えます。

大阪市営地下鉄は大阪市外にも伸びているため現行でも持ち出しになっているとの主張もありますが、大阪市外の住民の方々は利用料としての負担のみ、大阪市民が税金をつぎ込んだ市営地下鉄の収支は黒字、世に言うwin-winの関係が成り立っているので問題はないかと思います。

橋下市政では、大阪市の誇る重要無形文化財である伝統芸能・文楽の文楽協会への補助金打ち切りや、歴史的建造物として価値のあった大阪市立精華小学校を民間に売却、取り壊しの済んだ状態で再開発計画が頓挫するという事象も起きています。

単純な売却や予算カット、新規事業投資ではなく、元からある土地や環境を生かした町づくりを目指すのが本来の地方行政の姿ではないでしょうか。

ちなみに、神戸市は旧北野小学校の校舎を利用して北野★工房のまちという施設を運営、2015年3月には年間来館者数100万人を達成しています。

また、維新の会による人件費削減を大義名分に掲げる財政運営には少し違和感があります。

人件費を削るため、嘱託職員等(公事業におけるアルバイト職員のようなもの)を減らし、公共サービススタッフの民間委託を増やした結果、サービス利用者は公共サービスでありながら従事者に対して公僕としての責任を問えず、サービス従事者の労働環境も悪化していると耳にしたことがあります。

本来ならば公僕としての重大な責任を背負い、住民に代わり職務を果たしてくれている存在である議員・官僚・公務員にかかる人件費は、本当に必要のないものなのでしょうか?

何より、大阪府が大阪市を財産もろとも飲み込んだだけでは大阪府の負債残高を賄えるとは思えませんし、ほかに歳入確保策として何をあげているのかといえば大阪都構想サイトにある広域マニフェストによると、「IRに対する免許へ課税」「パチンコに対する課税」の二策のみであり、その試算もなければ、どちらも国の法整備が必要とのこと。

現状では不可能なことは歳入確保策とは言えないし、そんな状態の政権を信用できるでしょうか。

そもそも、現状のまま公債残高を減らしていきたい大阪市議会に対案として「大阪都構想」なる具体案の見えないものを提案して来たのは維新の会側であり、対案の対案を要求していることも無茶苦茶です。

 

維新の会は、「大阪府と大阪市が同じ方向を見ていなくては大阪の改革はない。維新の会による政権でなくなっても同じ方向を見ていくために、府市統合が必要である」と大阪都構想の意義を主張しています。

しかし私は、都道府県の独断による無茶な財政のせいで多数の人口を抱える大都市が破綻しないような歯止めになるべく、大都市が単独でも運営できることで日本経済を支えられるよう考えられたのが政令指定都市という大都市政策の根本ではないかと思います。

いわゆる二重行政こそ、民主主義における住民自治の砦、大都市政策及び政令指定都市の存在意義なのではないでしょうか。

 

大阪全体をも担う政令指定都市として考えれば、大阪市が大阪府のものとなってしまって共々破綻するよりも大阪市として残り、大阪府財政を支援する道を探るほうが現実的であると私は考えます。

政令指定都市って?記事にあるように、大阪市が一度なくなってしまっては現状復帰は難しく、大阪市が解体されることは大阪全体のためにも避けなければならないのです。

 

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大阪府の現状と大阪市の現状

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大阪府の現状

2008年の橋下氏の知事就任後、大阪府は11年ぶりの収支黒字化。

2011年までの就任期間中、3年連続黒字。

…とメディアでは騒がれました。

しかし、2012年度に大阪府が公表した健全化判断比率によると、実質公債比率が18.4%となり、起債許可団体となってしまいました。

⇒公債については政令指定都市って?記事へ

国の定めた基準により、収入の公債比率が18%を超えると、公債を発行するのに国の許可が必要となります。

この状態を起債許可団体といいます。

公債比率が25%〜35%となると「一般単独事業」区分の公債発行が許可されなくなります。

この状態を財政健全化団体といいます。

財政健全化団体とされてしまうと、財政健全化計画に基づき、住民サービスを削ってでも歳出の抑制や歳入の確保に取り組まなければなりません。

さらに、公債比率が35%を超えると財政再生団体となり、災害関連を除く一般公共事業と教育・福祉施設等整備事業という住民サービスに直結する公債発行が許可されなくなります。

そして、2013年2月に大阪府が発表した試算によると、2018年度には財政再生団体に陥る恐れがあるとされました。

収支は黒字になったのに、借金まみれ。

どういうこと?大阪府に何が起きているの?

歳入・歳出(収入・支出のこと)は税収や社会保障による一般会計と

事業による特別会計から成りますが、大阪府の一般会計歳入/歳出の内訳府債残高減債基金残高(府債返済のための預金)橋下氏の知事就任以前/就任期間中/離職後(現在)で振り返ってみます。

大阪府公式サイト|大阪府決算の状況について大阪府債IR情報|財務ハイライト
   大阪府債IR情報|減債基金についてより(単位以下切り捨て)

橋下氏の知事就任以前(2007年度)

一般会計歳入合計…3兆572億円

税収(府税・地方譲与税)…1兆4307億円(46.8%)

地方消費税清算金…1688億円(5.5%)

交付金…1939億円(6.45%) 国庫支出金…2351億円(7.7%)

分担金/負担金…204億円(0.7%) 使用料/手数料…776億円(2.5%)

財産収入…303億円(1.0%) 寄付金…1億1100万円(0.004%)

繰入金…840億円(2.7%) 繰越金…169億円(0.6%)

諸収入…5514億円(18.0%) 府債…2476億円(8.1%)

一般会計歳出合計…3兆409億円

人件費…9209億円(30.3%)

負担金・補助及び交付金…6575億円(21.6%)

貸付金…5050億円(16.6%)

償還金・利子及び割引料…2701億円(8.9%)

工事請負費…1249億円(4.1%)

委託料…868億円(2.9%)扶助費…313億円(1.0%)

補償・補填及び賠償金…256億円(0.8%)

その他…867億円(2.9%)積立金…108億円(0.4%)

繰出金…3209億円(10.6%)

★形式収支上は162億円の黒字。

ただし、翌年度へ繰り越すべき財源として175億円の黒字になる必要があるため、実質収支としては約13億円の赤字となります。

府債発行額…6692億円(うち借換債3750億円)

府債残高…5兆8286億円

減債基金残高…2114億円(国ルールに基づく必要額は6029億円)

★歳入として、減債基金から680億円の借入(2001年度〜2007年度で合計5202億円の借入)を行っていました。

橋下氏の知事就任期間中(2010年度)

一般会計歳入合計…3兆9168億円

税収(府税・地方譲与税)…1兆1729億円(29.9%)

地方消費税清算金…1667億円(4.3%)

交付金…3132億円(8.01%) 国庫支出金…2869億円(7.3%)

分担金/負担金…74億円(0.2%) 使用料/手数料…626億円(1.6%)

財産収入…139億円(0.4%) 寄付金…5億464万円(0.01%)

繰入金…7521億円(19.2%) 繰越金…250億円(0.6%)

諸収入…7107億円(18.1%) 府債…4044億円(10.3%)

一般会計歳出合計…3兆8846億円

人件費…8319億円(21.4%)

負担金・補助及び交付金…6646億円(17.1%)

貸付金…6745億円(17.4%)

償還金・利子及び割引料…9310億円(24.0%)

工事請負費…965億円(2.5%)

委託料…747億円(1.9%)扶助費…514億円(1.3%)

公有財産購入費…307億円(0.8%)

その他…594億円(1.5%)積立金…1574億円(4.1%)

繰出金…3121億円(8.0%)

★形式収支上は321億円の黒字。翌年度へ繰り越すべき財源を64億円とし、実質収支も257億円の黒字としました。

府債発行額…8235億円(うち借換債4033億円)

府債残高…6兆739億円

減債基金残高…1665億円(国ルールに基づく必要額は6847億円)

★橋下知事就任により、2008年度より減債基金からの借入をストップし、2009年度及び2010年度に借入金の全額返済を行いました。

しかし、その返済は税収からではなく(税収は大幅に減っている)、府債発行増額によるもの。

つまり、別の借入金によって切り崩していた分の預金の穴埋めを行ったということ。

結果、基金積立必要額は上がってしまっています。

また、予算黒字分を減債基金の積み立てに回せばよかったのですが、WTC等の公有財産購入費として2010年度で307億円という出費を行っています。

収支上は黒字でも借金額は増えたいうのが実状です。

橋下氏の離職後《現在》(2013年度)

一般会計歳入合計…2兆9365億円

税収(府税・地方譲与税)…1兆2626億円(43%)

地方消費税清算金…1656億円(5.6%)

交付金…2924億円(10.04%) 国庫支出金…2545億円(8.7%)

分担金/負担金…51億円(0.2%) 使用料/手数料…184億円(0.6%)

財産収入…220億円(0.8%) 寄付金…84億円(0.3%)

繰入金…673億円(2.3%) 繰越金…78億円(0.3%)

諸収入…4537億円(15.5%) 府債…3781億円(12.9%)

一般会計歳出合計…2兆9013億円

人件費…7921億円(27.3%)

負担金・補助及び交付金…7300億円(25.2%)

貸付金…4162億円(14.3%)

償還金・利子及び割引料…2572億円(8.9%)

工事請負費…774億円(2.7%)

委託料…505億円(1.7%)扶助費…408億円(1.4%)

需要費…172億円(0.6%)

その他…488億円(1.7%)積立金…1138億円(3.9%)

繰出金…3569億円(12.3%)

★形式収支上は352億円の黒字。翌年度へ繰り越すべき財源を128億円とし、実質収支も223億円の黒字としました。

府債発行額…9304億円(うち借換債5289億円)

府債残高…6兆3293億円

減債基金残高…3101億円(国ルールに基づく必要額は8625億円)

※減債基金残高は2013年度当初予算より

★一般会計と特別会計の合計歳入額は4兆3092億円。

実質公債比率は19.0%となり、起債許可団体の基準に達してしまっているというわけです。

また、借換債の発行が5289億円となっていることから、返済期限の迫った多額の府債に対して新たな府債を発行することで返済を先延ばしにしている状態であると言えます。

 

大阪市の現状

ONE大阪・大阪都構想サイトによると、大阪府の借金は東京都の1.2倍なのに対し大阪市の借金は東京都23区の13.7倍だそうです。

これを見ると、大阪市の財政状況は起債許可団体となった大阪府以上に悪いようです。

しかし、政令指定都市では上位に入る優良財政との声もあり、実際、大阪市は起債許可団体ではありません。

起債許可団体ではないのに、大阪府よりも財政状況が悪い?

こちらも、大阪市の一般会計歳入/歳出の内訳市債残高公債償還基金残高(市債返済のための預金)を橋下市長及び維新の会による功績か否かを同時に探るべく、橋下氏の市長就任以前/就任後(現在)で振り返ってみます。

大阪市サイト|財政局ページより(単位以下切り捨て)

※市税におけるAは特別区となった場合も区税となるもの、Bは特別区となった場合に府に徴収されるもの。

橋下氏の市長就任以前(2010年度)

一般会計歳入合計…1兆6790億円

市税…6260億円(37.3%)

  内訳:A個人市民税・市たばこ税・軽自動車税1568億円

     B法人市民税・固定資産税・都市計画税・事業所税4692億円

交付金…1161億円(6.9%) 

国庫支出金含む、その他特定財源…7767億円(46.2%)

臨時財政対策債…910億円(5.4%)その他公債収入…541億円(3.2%)

補てん財源…不用地売却代107億円/蓄積基金繰入63億円(1.0%)

一般会計歳出合計…1兆6776億円

人件費…2294億円(13.7%) 扶助費…4876億円(29.0%)

経常的施策経費及び管理費…1273億円(7.6%)

投資的・臨時的経費…3519億円(21.0%)

公債費…2198億円(13.1%) 特別会計繰越金等…2613億円(15.6%)

★形式収支上は13億円の黒字。翌年度へ繰り越すべき財源を9億円とし、実質収支も4億円となり、1988年度以降22年連続の黒字としました。

全市債発行額…1452億円(臨時財政対策債911億円/その他541億円)

市債残高…5兆624億円(実質市債残高2兆4287億円)

公債償還基金残高…3112億円

★臨時財政対策債の償還に要する費用は、後年度の地方交付税交付金算定における基準財政需要額に全額算入されます。

それを除いた実質市債残高は2兆4287億円。

公共事業費の減少によって新たな市債発行を抑制しており、もちろん公債償還基金からの借入は行わず、基準額に沿い積み立て、公債償還基金残高は確実に増えています。

結果、実質市債残高も全市債残高も6年連続で減らせています。

また、特別会計を含めた実質公債比率は10.4%で、財政健全化団体とされる基準も下回っています。

橋下氏の市長就任後《現在》(2013年度)

一般会計歳入合計…1兆7155億円

市税…6418億円(37.5%)

  内訳:A個人市民税・市たばこ税・軽自動車税1688億円

     B法人市民税・固定資産税・都市計画税・事業所税4730億円

交付金…1147億円(6.7%) 国庫支出金…3479億円(20.3%)

その他特定財源…4524億円(26.4%)

臨時財政対策債…953億円(5.6%)その他公債収入…591億円(3.5%)

一般会計歳出合計…1兆6864億円

人件費…1977億円(11.7%) 扶助費…5059億円(30.0%)

経常的施策経費及び管理費…1264億円(7.5%)

投資的・臨時的経費…2868億円(17.0%)

公債費…2405億円(14.3%) 特別会計繰越金等…3289億円(19.5%)

★形式収支上は250億円の黒字。翌年度へ繰り越すべき財源を8億円とし、実質収支も242億円の黒字となります。

黒字の要因は、人件費の削減や施策・事業の見直し等を進めたこととしています。

全市債発行額…1544億円(臨時財政対策債953億円/その他591億円)

市債残高…4兆8257億円(実質市債残高2兆2031億円)

公債償還基金残高…4605億円(予算額より)

公債費収入を増やしながらも、支出としての公債費も増。

例年どおり公債償還基金からの借入は行わず、基準額に沿った積み立てで、公債償還基金残高増。

結果、実質市債残高も全市債残高も9年連続で減となりました。

尚、特別会計を含めた実質公債比率は9.4%。

人件費削減等による住民サービス変化の善し悪しは別として、橋下市政によって収支黒字額が増加したのは事実のようですが、大阪市は以前より収支黒字・市債残高減少・公債償還基金積立増加を実現していました。

よって、ONE大阪・大阪都構想サイトでの大阪府と大阪市の借金額については、満期一括償還に備え公債償還基金をきちんと積み立てできているか否かを考慮せず、公債残高=借金として比較したことが間違いと言えるのではないでしょうか。

 

権益はどこにだって生まれます。

もちろん、それを是正していく必要はありますが、既得権益云々の前に、結果として出ている財政状況を判断すべきです。

 

※本記事内の数字に関しては、上記データより素人の私自身が算出したものを含み、計算間違いなど信憑性に欠けるかと思います。悪しからず。

 

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政令指定都市って?

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政令指定都市の成り立ち

明治維新以降、都市化がすすんだ日本。

中でも近代化が急激に進む大都市で、農村と同じ制度による行政では人口増や都市開発などに対応できなくなるのは当然のこと。

そこから、都市には特別な制度が必要と考えられるようになり、1878年(明治11年)に東京府東京市・京都府京都市・大阪府大阪市を三大都市とし、現在のような行政区を設置、より細かい行政制度を実施したのが大都市政策の始まりです。

その後、大都市は六大都市(東京市・京都市・大阪市・横浜市・名古屋市・神戸市)となりますが、1943年に東京府が都政へと移行し東京市を23区の特別区としたため、東京を除いた五大都市となります。

1947年には、国が大都市の府県からの独立制度設けますが、大都市への権限がなくなる府県が猛反発。

そこで、府県の権限の一部を移す制度として設けられたのが政令指定都市

1956年に五大都市が政令指定都市となりました。

 

政令指定都市の権限と利益

政令指定都市になると、都道府県とほぼ同格の地方自治体として扱われるようになります。

どういうことかというと、都道府県議会を通さず国に要望提出ができるようになります。

また、警察など一部事業をのぞき、保健・福祉、教育、都市計画、レスキュー隊の設置など市の機関を設けたりして独自に行えるようになります。

学校や病院に都道府立県立のように〇〇市立の公立施設があれば、それは政令指定都市により運営されているもの。

何より、財源確保の面で利益が大きいです。

都道府県から移行された事業に関わる財源(税収)も、もちろん移行されますが、これは事業で消えてしまう分。

すなわち、

●宝くじ発売元となれる

●地方交付税交付金が増額される

地方債における市場公募債を発行できる

この三点が特にキーポイント。

宝くじの発売元となれる

通常、宝くじの発売元は各都道府県。

宝くじの収益は発売元の収益となるため、政令指定都市が宝くじ発売元になる=収益は政令指定都市のものとなります。

地方交付税交付金が増額される

地方交付税交付金とは、地方自治体の財源調整のために消費税等の国税から地方自治体に割り当てられる資金のことで、国庫支出金と違い、使い道を国に指定されない一般財源です。

地方交付税交付金には、普通交付と災害時等の緊急財政需要のための特別交付があります。

国調人口等より算定された基準財政需要額(どれくらいお金がいるか)から、税収見込額等より算定された基準財政収入額(どれくらい収入が見込めるか)を引いた財源不足額が、普通交付額となります。

政令指定都市になると担う事業が増えることで、住民サービスの向上のための支出が大幅に増えるため、基準財政需要額が上がります。

結果、地方交付税交付金の増額へと繋がるわけです。

政令指定都市である大阪市への平成26年度普通交付金は約353億。

政令指定都市を含む全1719市町村の平均交付額約43.1億

(54市町村の非交付団体=普通交付金を必要としない市町村を除いた平均でも約44.5億)を大きく上回ります。

大阪市が解体され特別区制へ移行した場合、各区には中核市(市は権限力の強い順に政令指定都市、中核市、一般市と分けられます)並みの権限を与えるとしながらも、当たり前ですが、特別区は市町村ではないので交付金の対象ではありません。

都構想では、大阪府の普通交付金額が特別区分も増えること、いわゆる二重行政解消でコストカットができること、さらに中核市ならば重要な財源となる法人住民税や個人資産税等を府が徴収することによって、財源調整制度で各区へ予算を分配、財源を保障するとしています。

中核市並みの権限とは?という疑問は置いておいて。

行政のコストカットがされる以上、特別区分の普通交付金額が高額加算されるとは考えづらいですし、コストカットの信憑性やコストカットによる長期的収入減少等の不安も考えられますし(詳しくは、争点「二重行政」「住民自治」記事へ)、単純に大阪府全体の財源のカットに繋がるのではないでしょうか。

地方債における市場公募債を発行できる

地方債は、地方公共団体(主に都道府県)が発行できる公債

公債とは、元本と利子の返済を将来の税収でまかなうことを条件に、原則として証券発行という方式で行なう借入金のこと。

つまり、クレジットカードやローンのようなもので公債総額がただちに赤字になるのではなく、期限にきちんと返済できる見通しがあれば赤字とは言えません。

地方債は、公的資金によるものと民間等資金によるものに分類され、民間等資金によるものは公募地方債と銀行等引受債に分かれます。

この公募地方債に、政令指定都市も発行できる市場公募債が当たります。※市が発行する場合は市債とも呼ばれる

この市場公募債を発行することで、財源の補填ができます。

そもそも公債とは将来の税収に頼った借入金であり、租税は国民・住民から徴収されるものであるため、国民・住民の借金ではなく、政府や自治体が国民・住民から前借りしているもの。

さらには、住民参加型公募地方債のように、債券を発行する自治体に住んでいる地域住民や法人などが債券を購入=住民が直接的に貸し付けを行っている場合もあります。

大阪都構想のサイトを含めメディア等では、公債残高すべてを国民・住民の借金などとして換算されがちですが、その解釈は論理的ではないと感じます。

 

大都市に経済や税収、人口が集中しすぎてしまうなど政令指定都市制度の是非はともかく、現行制度において、政令指定都市である大阪市は宝くじの収益や地方交付税交付金制度、市債の発行という収入要素によって財源を保っているのは明らかであり、大阪都構想により大阪市が解体され特別区となった場合に今と同等の財源を確保できるとは思えないというのが私の見解です。

これら政令指定都市としての収入要素がなくなっても、本当に現行の住民サービスはキープできるのでしょうか?

 

政令指定都市になるには

政令指定都市になる条件は、人口が50万人以上であること。

ただし、すでに政令指定都市である市と同格の人口を擁する必要があるため、実質70〜80万人以上

また法令規定はないものの、市議会議決→県議会議決→総務大臣へ要望提出→関係省庁協議→閣議決定→政令公布という手続きがあり、すでに政令指定都市である市と同等の行政能力を有することが考慮されます。

そのため、県庁所在地でも政令指定都市ではない市はたくさんあります。

2015年5月現在、県庁所在地で一番最近政令指定都市になったのは、2012年の熊本市。

県庁所在地以外だと、2010年の神奈川県相模原市。

四国にはまだなく、それだけ目指している市が多いということです。

大阪都構想に関して言えば、特別行政区制度が上手くいかず借金が増えた状態で大阪市に戻ったとして、すぐさま政令指定都市に戻れる法律は現在ないので、マイナスから政令指定都市を目指さなくてはならず、今と同じ状態の大阪市に戻れる保障は、現在ありません

 

参考:政令指定都市wikipediaあなたの住む都市が、政令指定都市になったら
   /総務省地方財政制度ページ大阪都構想公式サイト地方債wikipedia
   /オリコンCSランキング・証券『「地方債」とは』ページ

 

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