シェンゲン協定とは シェンゲン…
EU?ユーロ?シェンゲン協定?欧州滞在基礎知識
1回のヨーロッパ旅行で数か国を訪れると、同じ通貨ユーロ(€/EURO)を使っている国とそうでない国、隣の国から入国する際に入国審査がある国とない国があります。
私は2013年にヨーロッパ周遊旅行を計画するまで、恥ずかしながら「EU(欧州連合)に加盟しているか否か」がこの違いだと思っていました。
しかしながら、私が短期語学留学で3か月滞在したイギリスは、EU加盟国ながらユーロではなく自国通貨ポンド(£/pound)を使用。
さらには、他のEU加盟国から入国する場合でも入国審査が必要です。
加盟国以外の国民が受けるものより簡易的なものにはなりますが、EU加盟国の国民も入国審査を受けないといけません。
とはいえ、それでもEU加盟国からの移民要件はEU加盟国以外の諸外国から移民するよりも簡単になりますが。
元々そこまでEUに依存していなかったことが、イギリスがEU離脱へ動いた要因だと私は思っていますが、今回のトピックはそれではありません。笑
日本人が旅行者や短期滞在者としてヨーロッパを訪れる際に知っておくべき3つのキーワード、EU(欧州連合)とユーロとシェンゲン協定についてです。
EUに加盟していれば必ずユーロを使っているわけではないし、EUに加盟していなくても入国審査がない場合もあります。
特に耳馴染みのないシェンゲン協定こそ、実はヨーロッパ周遊旅行を計画する際の最重要項目と言っても過言ではないと思います。
↓EUとは をチェック↓
テロの多発やイギリスのEU離脱決定などで揺れているヨーロッパ。
各国の関係性を把握しておくことは、外国人訪問者として必要なことではないかなと、個人的には思っています。
↓ユーロとは をチェック↓
通貨事情だけでも、EUと言って一括りにはできないことがわかります。
ヨーロッパ周遊する際、ユーロさえ持っていれば安心!ではないんですね。
どちらかというと、通貨にかかわらず支払いができるので、クレジットカードやデビットカード等を持っている方が安心です。
ヨーロッパは大体のものがカードで支払いできますし、デビットカードの場合、ATMのキャッシング機能を使うことで実際には自分の日本の口座から現地通貨として現金を引き出せます。
両替所より手数料も安くて便利なのでオススメですが、ATMは周囲を注意しながら利用してくださいね。
↓シェンゲン協定とは をチェック↓
加盟しているヨーロッパの国家間においては、国境検査なしで人や物が自由に移動ができるシェンゲン協定。
「EU加盟国だから」ではなく「シェンゲン協定加盟国だから」、国境審査なく往来できるわけです。
なので2017年現在、例えばEU加盟国かつシェンゲン協定加盟国のデンマークからは、EU非加盟国ながらシェンゲン協定加盟国であるノルウェーには入国審査なしで渡れるのに、EU加盟国でもシェンゲン協定非加盟国であるアイルランドに渡るには入国審査が必要です。
これは、協定加盟国在住者のみならず、旅行者にも適用されます。
では、このシェンゲン協定が旅行者にどのように関わってくるか。
日本は各シェンゲン領域国との間において、二国間のビザ免除措置に関する枠組みを有しているため、日本人旅行者はビザ免除でのシェンゲン圏短期滞在が可能ですが、シェンゲン国境規則に従わなければなりません。
①有効期間がシェンゲン領域国からの出国予定日より3か月以上残っており、かつ、10年以内に発行されたパスポートを所持していること。
②あらゆる180日の期間内で、最大90日(複数のシェンゲン領域国を訪問した場合の滞在期間、シェンゲン領域をトランジットで通過する場合を含む)の滞在に限る。
例えば2017年現在だと…
ドイツ1か月滞在+フランス2か月滞在のち、イギリスに渡航。
イギリスでは1年のうち6か月のビザなし滞在が可能なので、シェンゲン圏ではないイギリスおよびアイルランドに6か月滞在(シェンゲン圏への旅行は不可)。
その後、スペインなどシェンゲン圏に戻り、シェンゲン圏内に3か月滞在することで、ヨーロッパでの1年間ビザなし滞在が可能です。
しかし、これはあくまで理論上。
テロへの警戒や不法滞在などの問題もあり、元々入国審査が厳しいイギリスはもちろん、シェンゲン圏諸国の入国審査は年々厳しくなっていますし、不必要な長期滞在は怪しまれ、強制送還の対象になりかねません。
大学留学などで長期滞在ビザを有している場合は安心ですが、卒業後の帰国前などに長期欧州旅行される際など、お気をつけください。
ヨーロッパはユーレイルグローバルパスなど乗り放題鉄道パスを使った鉄道旅が楽しく、鉄道に乗ったまま入国審査もなく国境を越えられて便利なのですが、鉄道でシェンゲン圏外の国に入国する際はもちろん入国審査がありますし、グローバルパスにはイギリスの鉄道は含まれていないということもあるので、注意が必要です。
さらに、英仏海峡トンネルを通ってイギリスとフランスおよびイギリスとベルギーを結ぶ高速鉄道Eurostar(ユーロスター)ですが、イギリスで出国審査を受けたあと、少なくとも私が利用したブリュッセル駅では入国審査も出国審査もなく、イギリスに再入国してやっと入国審査を受けるという流れでした。
ブリュッセル到着後、必死でイミグレーションオフィスもしくはブースを探しましたが見当たらず、「不法滞在を疑われるのでは…」と不安なまま滞在しておりましたが、結局なんの問題もなかったので、「これがシェンゲン協定ってやつか!」と納得したのを覚えております。笑
また、シェンゲン圏内での移動で国境間の審査はなくとも、外国人滞在者はパスポートの携行が必須です。
余談ですが、EU圏の出入国スタンプといえば、こんな感じ。
ですが!
ユーロスターでイギリスを出入国した場合は、飛行機マークが汽車マークになるんです!可愛い。
イギリスのビザなし滞在に関わる要項やシェンゲン協定に関しては、急に変更になることも多いです。
近いところだと、EUはシェンゲン協定内への渡航の際に、アメリカのESTAやカナダのeTAのような事前承認を必要とする電子渡航認証システムETIASを2020年に導入する予定でしたが、2021年施行に延期されました。
ヨーロッパだけでなく海外へ旅行や出張される際は、事前に必ず日本の外務省サイトや訪問先の大使館サイトを確認されることをおすすめします。
(参考:欧州諸国を訪問する方へ|外務省)