なぜ東京とくらべるの?

        
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東京都は地方自治体でありながら、日本政府が置かれる首都でもあります。

首都なので人も企業も集まり、税収(住民税、法人税、固定資産税等)が多いのは当然。

実際、東京都は独自の財源で財政をまかなえる都道府県で唯一の地方交付税交付金不交付団体です。

※東京都内の市は普通交付金の交付を受けています。

 

政令指定都市って?記事へ

 

東京都が特別区を実施したのは、戦時中の1943年(昭和18年)。

大阪市を含む五大都市が政令指定都市になったのは、1956年(昭和31年)。

日本の都市化が進むなか政令指定都市が制定される前に首都としていち早く特別区を実施し、東京府から東京都への転換を図った東京。

政令指定都市である地方大都市となり、都市として成熟した状態の大阪。

東京の都政移行と大阪府が都構想を目指すのでは都政の成り立ちの状況が違うため、あくまでひとつのモデルケースとして考えるべきであり、比較対象としてはあまりふさわしくないと感じます。

そもそも、大阪が東京と同等になりたいのであれば道州制における州都として機能することを目指すのが術であり、大阪都政は、道州制の法整備ありきで行うことだと思います。

 

また、制度上は東京都にある市でも政令指定都市を目指せるにも関わらず、東京都には政令指定都市がありません

東京都の人口が特別区に集中していること、特別区を実施する都政とのねじれが生じることから、都からの承認を得るのは難しいということが考えられます。

 

大阪府には現在、政令指定都市は大阪市と堺市の2都市があります。

2010年(平成22年)3月発表された大阪都構想初期の計画では、大阪市24区を8区へ移行、堺市7区を3区へ再編することを中心として、豊中市・吹田市・守口市・八尾市・松原市・大東市・門真市・摂津市・東大阪市の9市をそれぞれ区へ移行することで、合計20区からなる特別区を設置する予定でした。

市における地方税とは主に、市民税の個人住民税、法人住民税、固定資産税、たばこ税、都市計画税等からなりますが、東京23区においては法人住民税、固定資産税、都市計画税等は東京都が徴収するため、23区としての地方税総収入は都に徴収される額を除いた約9491億円となります。

それと同様に、大阪20区の地方税総収入約1兆866億円から法人税、固定資産税、都市計画税等を省くと、合計は約3961億円。

市政に直接遣えた約7000億は、一旦大阪府に徴収されます。

対して、東京都が徴収する、23区における法人住民税・固定資産税等総額は、前大田区議会議員奈須りえさんのBLOGOS記事によると、全体の55%しか23区に配分されず残り45%にあたる約1兆円が都に流れているということから、単純試算で約2兆2000億円もの税収が考えられます。

1兆円規模の税収差を持ってして、尚も大阪を東京と同等に考えようというのは無理がありすぎます。

 

さて、東京23区の人口は約894.5万人と東京都全体人口約1316万人の約68%を占め、都によって徴収された23区の地方税は財政調整制度における再分配によって23区に還元されています。

初期段階の大阪都構想における大阪20区の人口も約564.6万人と大阪府全体人口約886.5万人の約64%となるので、約7000億円が20区に対して東京23区と同規模の還元がされる可能性が高かったと考えられます。

しかし、2013年に行われた堺市長選挙で反維新派であり現職だった竹山氏が再選した事により、堺市は実質的に特別区となることより政令指定都市として残ることを選びました。

その結果、大阪市のみが5区の特別区に再編される設計図を盛り込んだ今回の協定書が作成されることになりました。

現行大阪市の地方税総収入は約6260億円ですが、同じく個人住民税とたばこ税のみの合計収入は約1817億円。

5区からなる特別区になった場合、特別区の人口は約226.5万人。

20区から約340万人という半数以上の人口が減るにも関わらず、大阪府に徴収される額は約4400億円となる、約2600億円しか減りません。

また、人口比も大阪府全体のわずか約30%となり、特別区以外への持ち出しとなる可能性は大いにあります。

持ち出しになっても大阪府全体の活性化の為になればいいのですが、約4400億円の税収、約470億円未満の普通交付金増額、約132億円の財産運用収入では賄えるわけのないほど負債だらけの大阪府

政令指定都市としての財源を失った状態で、東京23区の足元にも及ばない税収で、特別区5区のみで今の大阪府を支えきれるわけがないと思います。

争点「二重行政」「住民自治」記事でも述べたように、大阪市民が市税をつぎ込んで運用し長期的に収入として来た市営事業・市立事業の財産も大阪府の財産と統合されてしまい、大阪府の負債返済のための一時的な収入として売り払われてしまう可能性もあります。

また、特別区を実施する大阪府政と政令指定都市である堺市政のねじれも生じるのではないでしょうか。

 

状況や環境がこんなにも違うので、大阪市を特別区にした状態と東京23区を比較することで見えるのは、明らかな税収の差と人口比の差、財政再生団体になってしまうとされる大阪府と地方交付税交付金不交付団体である東京都との圧倒的な差でしかなく、それらの差を持ってして、大阪都構想によって大阪府が東京都のようになれるという答えは、ありえないと思います。

 

参考:大阪都構想wikipedia
地方税収入額…平成22年度総務省市町村別決算状況調より
人口…平成22年度都道府県・市区町村別統計表(国勢調査)より

※本記事内の数字に関しては、上記データより素人の私自身が算出したものであり、計算間違いなど信憑性に欠けるかと思います。悪しからず。

 

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